俺様王子とメイドちゃん
車のドアが開いた。

わたしは、びくりと体を震わせる。





武器は持って・・・ない?


目の前に現れたのは、礼服を着た品の良さそうな人だった。

「三ノ宮 美咲様ですね。

湊様がお待ちです。どうぞお入りください。」

ぼーぜんとするわたしに、にこやかに言った。



?!

どうなってるの


“湊様がお待ちです”ってどういうこと?





・・・わたしは何か勘違いしてたみたい

目の前に現れたのは、倉庫でも危険な

犯罪者でもない





なるほど、そういうことね


わたしは、今までのことがすべて理解できた。



高級車にのせられたのも

気がついたらレストランに着いていたのも



この意味不明な状況すべて






ああ・・・


西園寺 湊の仕業かよっっ!!





今までの恐怖と悲しみが一瞬で怒りに変わった。
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