俺様王子とメイドちゃん
「はあ~」

わたしはため息をついて、机に突っ伏し

た。



あーあ、ついに夏休みが来るのかあ

皆楽しそうに話してるけど、

わたしは正直不安しかない・・・






「きゃああっ!! 湊様よ! 

湊様が廊下にいらっしゃるわ!!」


急に、廊下から歓声が上がった。


クラスの女子たちが廊下へと走り出す。

 



わたしは、自分のわきを駆け足で通りすぎ

ていくクラスメートたちを眺めながら、

再びため息をついた。



西園寺湊

メイドであるわたしの主人で、 

わたしをこんなにも悩ませている張本

人――――。






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