天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
亮太はわなわな震えている。

「何?寒いの?
このクソ暑い日に…
夏風邪か?」

オレがそう呟くと、

「わからんっ!」

と、わめいた。


「なんで?!
なんで凛ちゃんは、
なんでよりによって、
なんでオマエを選んだんだよ?!」


なんで何回言うんだよ…
どんだけ疑問抱いてるわけ?


「よりによってって…
失礼なやつだなっ」

今度は、学校指定のネクタイをぐいっと絞められた。

「オマエ、自分が今どーゆー状況におかれてるかわかってる?!」

亮太は真剣な顔をしている…
ように見えるが、真剣じゃないだろう。

「学校の男子生徒の7割を敵に回したんだぞ!!
オレを含めっ!」


やっぱわけわかんねぇこといいやがる…


「オレを含めって…
オマエ彼女いるだろ」

そう、亮太には彼女がいる。

「しかも二人」

ただいま二股中の。


すると、亮太はふかーく落ち込んだ。

「オマエ…今ここでそれ言っちゃう?
このタイミングで?」

「言っちゃうだろう、
このタイミングで」


幼なじみの勘でわかる。
フラれたな、コイツ。


「調子乗ってるからそんなことになんだよ」

「オレまだなんも言ってねぇぞ」

ムスッとした顔の亮太。

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