追憶の彼方に

✩✩一華サイド


一華‥‥

今日も、バタバタ忙しいが
優里と手分けして対応をしていく。

昨日の飲み過ぎ、泣き過ぎを
二人とも化粧でごまかして・・・

お互いに目があうと
笑いあっていた。

私は、今見えたお客様を
エレベーターまで案内し

優里は、男性の方と話している。
「営業課長の結城さんと
お約束しています。
飛鳥建設会社の菅野と申します。」と

「営業の結城ですね。
   お待ちくださいませ。」
と、優里。

菅野か?波瑠と同じだな。
声も似ていたような····
あ〜、ない、ない、あるわけない
と、受付カウンターに戻ると

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥は‥‥る?

‥‥‥‥‥‥‥‥‥いち‥‥か?

と、お互い目が離せない。
胸の動悸で息がしずらい。

私の異変を、優里は直ぐ悟り


「飛鳥建設の菅野様、営業の結城が
五階にいらして下さい。との事です。」
と、ゆっくり言った。

波瑠は、ハッとして、
「ありがとうございます。」
と、エレベーターの方に歩きながら
何度も、後ろを振り返っていた。

私は、
「優里、ちょっと、ごめん。」
と、言いトイレに入り
涙を拭き、何回も深呼吸して
化粧を直して戻った。

優里が、心配そうに見ていたから
口パクで、“ 大丈夫。”と言った。
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