柴犬主任の可愛い人
5・ラストノートのそのあと
 
 
 
 
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「青葉ちゃん。お誕生日おめでとう!!」


ありがとうございます、ありがとうございますと、私は祝ってくれる四人に順番に頭を下げていく。柴主任、亮さん、華さん、そして真綾ちゃんも特別に私を祝いに来てくれたのだ。営業時間内のお店に入れてもらうことは皆無な真綾ちゃんはちょっと緊張していて、大人しくカウンターの椅子に座る。他のお客がいないからと連れてきてもらえたみたい。


「二十六になりましたありがとうございますっ。気を使っていただきすみません」


去年の今日、初めて伊呂波に訪れた際の諸々の中で、私が誕生日だという会話を覚えていてくれた華さんが企画してくれたらしい。


「青葉ちゃん、これ皆からプレゼントよ」


ホールケーキと、何やら手のひらサイズのパッケージを貰ってしまった。開けてみてと言われてリボンを解けば、コットンパールが揺れるピアスだった。


「可愛いっ!!」


「前、青葉ちゃんこんなピアス好きって言ってたから」


「言ってましたけど!! 覚えててくれたんですかっ。もう色々とありがとうございます~っ」


今ここでこれ以上の遠慮してしまうは無粋だと、というか嬉しくて嬉しくて、気が急いて、貰ったピアスを早速つけてみた。――これは、私が雑貨屋さんで見てたものよりは確実にいいお品だ。コットンパールってお高いものじゃないけど、金属部分は名前忘れたけどお肌に優しいやつだ。耳元で揺れる軽やかに感覚が気持ちいい。


「あおばちゃん、おひめさまみたーい」


「あぁっ、真綾ちゃん!!」


きゃっきゃうふふと私を舞い上がらせてくれる隣の席の真綾ちゃんは、最近かけた私のパーマを物凄く気に入ってくれてて、相乗効果の先にお姫さまの称号を与えてくれる。伸ばした髪に緩いカールは、真綾ちゃんの憧れらしい。


女ばかりで盛り上がってしまい忘れていた。亮さんと柴主任を見ると、どうやらプレゼントの中身は知らなかったみたいだったけど、渡したことで仕事は完結したといった様子だった。


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