彼女にもう一度
続きから始まる
火葬場の煙突から白い煙が昇る。


その瞬間、ずっとこらえていた感情が一気に溢れだして、僕はその場に泣き崩れた。



「遥子ちゃんの彼氏ですって」

「まだ高校生なのにお気の毒ね」



ココの親類だろうか。
喪服姿の人達のひそひそ声と、好奇心の混じった哀れみの目が、僕に突き刺さる。



蝉が急き立てられるように激しく鳴く、暑い夏の日のことだった。


< 1 / 32 >

この作品をシェア

pagetop