彼女にもう一度

*誠、21才

「一昨日は命日だったのか……」


カレンダーを見て思わず呟いてしまった僕に、怜奈が「何?」と台所から顔を出す。


何でもないよ、と答えながらも僕は、カレンダーの日付から目が離せなかった。


7月6日。

それがココの命日。

もう2日も過ぎていた。



「カレンダー見てるの?怜奈、試験始まる前にデートしたいなあ」



あぐらをかいていた僕に、後ろから怜奈が抱きついてくる。

そんな怜奈に「いいよ」と軽いキスをしてあげたけれど、心ここにあらず。
僕は命日を忘れていた自分にショックを受けていた。


「じゃあ次の日曜ね!デートコースは、次は誠が考えてね!」


と嬉しそうにはしゃぐ怜奈の声がどこか遠いものに思えた。
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