ふちどられたミライの中で【ケータイ小説向上の会企画作品】
背負ったままの過去

~醜い夢~

静まり返った真っ白な世界で俺は目を覚ました。


意識はぼやけいていて、体がふらつく。だが、手を伸ばした。



うまく操れない自分の腕を前へ、前へ伸ばす。しかし、何にもぶつかることなく真っ直ぐに伸びた手だけが視界に入る。



方向、時間、距離感覚全てが狂う。だが現実味の無いこの世界で、何かが狂ってしまったって何ら問題は無いのだろう。



ただただ、真っ白な世界。光はなくともその色自体が眩しく思える。




俺は訳も無く、ひたすらに無い道を辿る。そして、段々自分が歩いた所から黒が生まれてきている事に気が付いた。


振り向くと、確かに点々と黒が見える。




だが、そんな事どうでもいい。いっその事俺を飲み込んじまえばいいさ。



と、その時、黒が急に範囲を広げた。



どこまでもどこまでも広がってゆく。次第に白は黒になる・・・。




ああ、俺の望みを叶えてくれるのか?


そう、そのまま・・・



俺を飲み込め。



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