横顔だけじゃ、足りなくて



えっ!?




「今、真彩…って言った?」


『うん、…ダメ?』




そう聞いてくる姿がまた…


やばい。


恥ずかしくて顔を見れない!




「うぅん!
すっごく嬉しい!」


『良かった』




目を細めて笑顔を向けられる…


真彩ちゃん だけでも言われる度ドキドキ
するのに、呼び捨てはその倍ドキドキしてしまう。


彗くんに名前を呼ばれる度に、自分の名前が好きになるような気がする。




『まだ真彩は、くん付けする?』


「うん。だって…先輩だし」


『そんなの良いのに』




そんな、呼び捨てだなんて…!


私にはもう少し先になりそう…


だから…



「もう少し…待って」


『うん。
真彩が言いたい時に言ってよ』




うん。


焦らなくていい。


隣に彗くんがいるから。





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