Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
颯の言葉に、由羅は黙って走る。


今日は朝から山を下り、町を目指す。

週に2回、鞍馬一族は数名の忍者を町へ向かわせる。


その訳とは…。



「さぁ!今日も珍しい物を揃えたよ!」

「そこのキレイなお姉さん!ぜひ足を止めて見てってねー!」


ハチマキを頭に巻き、法被を着て、楽しげに物を売る鞍馬の忍たち。


普段は、依頼をこなす。

その傍ら、副業として商人に扮して店を開き、物を売る。
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