鈍感男に告白した結果。



『はあ!?!告白!?』




あたしは大きな声で絶句する。

ちょうど学校に着いた時だから
たくさんの生徒がこちらを見る。



『ちょっとりり声大きい!』


『…ごめんっ』



『もう佐野くんに告白しちゃいなよ』




舞はこのままだと
“佐野は鈍感すぎて何も気づかないし、
進展がない"
ということをあたしに伝えたいらしい。



『むりむり、佐野だよ!?
関係崩れたら……』


『大丈夫!佐野くんだって、
りりのこと女子として意識し始めるって』



『ないでしょ、そんなの。
逆に舞はどーなの?唯斗くんとは……』



舞は唯斗くんと進展あるのかな?


人に言うくせに自分だって、唯斗くんに
告白してないじゃんね




『唯斗くんとは
一応、土曜日遊園地……』




舞は顔を赤らめる。
土曜日はあさってだ。




『まじ?2人で?』



『んなわけないじゃん
佐野くんとあとりりもっ!』


舞はにっこにこの笑顔で答える。





……え?




『佐野と…あたし?
いやいや、聞いてないよ』



『親戚のおばさんが
遊園地のチケット4人分くれたの!
どうせりりは暇でしょー、あそぼうよ』



どうせってなんだ、どうせとは。

まぁ、暇だけどね!


『良いけど、2人は誘ったの?』



『うん!佐野くんと唯斗くんには
OK貰ってる』


トントン

舞が発言した直後、
肩を誰かに叩かれた。



振り返ると、そこには佐野と唯斗くんが。



『おはよ。なんで校門くぐらねーの?』


普段の佐野だ。


いつもと同じだ。


全然、昨日のことを気にしていないように
見える。





『お、おはよ…』

小さな声で答える。


『どーした、今日元気なくね?
元気出せよー』


そう言ってあたしの頭を
クシャッと撫でる佐野。



好き、大好き。



でも、好きでもない子の頭を撫でないでよ。



『元気だし!
舞はやく教室いこー』



あたしはすぐに舞の袖を引っ張って昇降口に入った。
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