嘘つきの恋煩い
入学して数ヶ月、部活の勧誘も落ち着いてきた頃、私も部活に入ろうとひとり掲示板を眺めていた。
うちの学校では部活に入る事は必須だった。

人の少なそうな部活をピックアップしていく、その中でも女子が多そうな部活を探していた。


端からゆっくり眺めていると、ある一つの部活が私の目を惹きつけた。
料理研究会‥部員も少なくて廃部寸前らしい。

これなら男子も少ない、もしくはいないだろう。


放課後教室でひとり、入部届を書いていく。
高校生になったらもっと学校生活が楽しくなると思っていた。
書き終わった入部届を先生に提出して、その日は帰った。

明日から部活はあるらしく、放課後調理実習室に来てくれと言われたけど気は進まない。


部活には入ったが部員として活動する気は無かった。
仕方なく、そう仕方なく入ったのだ。
必須では無かったら迷わず帰宅部を選んだだろう。

家に帰ると私は即座に自室のベッドに倒れ込んだ。
家には私ひとりだ。

親は滅多に帰って来ない、二人で世界中を飛び回っているのだ。
父と母は社長と社長秘書、家にいることの方が珍しい。


明日は気が重い、部員は今のところ3人だと聞いた。
2年生が1人、1年生が2人。
私を入れたら3人だ。

「友達‥なれるといいな‥」

ひとり呟いた言葉に自分で驚きつつ、何を言ってるのかと自嘲気味に笑った。
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