bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
不器用な鬼の気持ち


地下駐車場の警備員の視線を背中に痛い程感じながら、私は本郷主任の四駆の車に乗り込んだ。



会議室を出てから、本郷主任に促されるままそそくさと帰宅準備をして、本郷主任の後に続いて歩いて、今に至る。




そこに会話なんてほとんどなくて、私は、本郷主任の気持ちがまだよく理解できていなくて、本郷主任の背中を眺めながら、さっきの言葉を反芻するばかりだった。

 






車の中では心地よい洋楽が流れている。


本郷主任の横顔を覗き見ると、流れる夜の光の数々が、本郷主任の横顔を照らしている。


目鼻立ちのくっきりしたに整った顔立ちに、さらに色気が加わったように感じて、つい見惚れてしまった。




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