【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


このメールを湊人に送信した翌日。


私は、英字が白黒でプリントされたティーシャツにデニムのショートパンツ、それからハイカットのスニーカーというラフな格好で公園に向かう。


新築の家が並ぶ住宅街の曲がり角を曲がると、そこはもう公園があって、幼稚園くらいの女の子がお母さんと一緒にぶらんこで遊んでいた。


私はその親子の前を笑顔で通りすぎ、公園の奥にある黄色のベンチに腰かける。


「……莉桜!」


それから5分ほどして、薄い黄色のシャツに青いロングパンツを身にまとった湊人が姿を現した。


「わりっ、ちょっと遅かったか。待たせてごめんな、莉桜」

「ううん。私が呼び出したんだから、全然いいよ」

「そっか、さんきゅーな!」


そう言って、目を細めてにかっと笑った湊人。


< 42 / 55 >

この作品をシェア

pagetop