目なし女の消えない呪い
「笹原高校の三年生は、全員呪われているんです。

目なし女と名乗る女子高生に。

目なし女は、この学校を憎んでいます。

その理由まではわかりませんが……」




「目なし女ねぇ……」




山中先生はそう言って、右手を顎あてて、下を向いた。




「目なし女は、両目がない悪霊です。

目なし女は、笹原高校三年生の瞳を欲しがっている。

目なし女は、火傷の痕で顔が赤くただれているんです」




「顔に火傷の痕がある女の子……。

そう言えば、そんな女子生徒がこの学校にいたよ。

でもそれは、三十年も前の話だよ。

私も拓也くんに言われるまで、思い出すことができなかった……」




美月は山中先生の言葉に、希望の光を見たような気がした。




目なし女を探す手がかりが、ついに見つかった。
< 102 / 279 >

この作品をシェア

pagetop