目なし女の消えない呪い
大切な仲間を守れ
その日の朝、美月が浮かない顔で教室の自分の席に座っていると、拓也が近づいてきて、美月に話しかけた。




「おはよう、美月。

今日は浮かない顔してるじゃねぇか」




美月は拓也に声をかけられ、拓也の方に目を向けた。




「おはよう、拓也。

私、ちょっと考えごとをしていたから……」




「美月、昨日、片っ端から電話をかけたら、三十年前の卒業生には、長島優子のことを覚えていた人が結構いたよ。

あれだけ特徴のある女子生徒だからな。

いろんな人の記憶に残っていても不思議じゃない」




「そうね、長島優子の容姿は、なかなか忘れようがないから」




「美月はどうだった?

美月は親から長島優子のことを何か聞けたか」




拓也がそう言ったとき、美月は憂うつな気持ちになった。
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