目なし女の消えない呪い
拓也が弥生の家を出て、美月の家へ向かうとき、拓也の頭の中は、美月のことでいっぱいだった。




〈 美月、オレはお前を死なせない。

お前はもう一人のオレだ!

いつだって、どんなときだって、オレはお前を守るよ。

美月、オレはお前と約束したから……。

お前のことはオレが守るって…… 〉




拓也が美月の家までの道を全力で走っているとき、ポツリポツリと雨が降り始めた。




〈 美月、もしも目なし女の呪いが解けて、オレたちがまだ無事でいられたら、オレはお前にハッキリと言うよ。

オレはお前のことが好きだって……。

オレたちには、きっと素敵な未来があるはずさ。

だからオレは、美月を死なせない。

美月、オレたちはこれから先も、ずっと一緒にいられるよな 〉




雨はしだいに強くなり、拓也の服を濡らしていった。




拓也はそんなことを気にもせずに、全力で走り続けた。




美月と自分の未来のために。
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