目なし女の消えない呪い
コウモリたちがいなくなったあと、美月が洞窟の暗闇の奥に足を進めると、そこにはまた分かれ道があった。




美月が分かれ道の前で立ち止まると、またあの不気味な声が、洞窟の中に響いた。




『こっちに来なさい』




その声は今までよりも、ハッキリと、洞窟内で不気味に響いた。




〈 目なし女の声が近い。

きっと目なし女は近くにいるわ 〉




美月はそう考えると、急に心臓が早鐘を打ち、呼吸が乱れた。




〈 私は行かなくちゃ……、目なし女の声が聞こえるところへ。

そして私は呪いを解く。

弥生のために、グループLINEの仲間のために 〉




美月は、目なし女の声が聞こえてきた方に、足を進めた。




〈 私が好きだった拓也のために…… 〉
< 242 / 279 >

この作品をシェア

pagetop