目なし女の消えない呪い
「おい、お前ら、美月のまわりからいなくなれ!

美月を傷つけるヤツは、オレの敵だ!」




教室中に拓也の声が響き渡ると、クラス全員が拓也に目を向けた。




「拓也、お前は美月に味方するのかよ!

美月は、目なし女を呼び寄せたんだぞ!

この学校に呪いをまき散らしたんだぞ!」




野球部のキャプテンを務める直樹が拓也にそう言った。




「オレは目なし女からのメッセージよりも、美月を信じる。

オレはこの学校中を敵にまわしても、美月を守る。

直樹、お前はオレの敵なのか?」




拓也がそう言うと、教室の中は、しんと静まり返った。




拓也の言葉のおかげで、美月を取り囲んでいた五人は、いつの間にかいなくなり、美月は憎しみの的になるプレッシャーから逃れた。




美月が深いため息をつき、下を向くと、拓也は振り返って、美月の顔に目を向けた。
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