僕を愛した罪







『メールだよ、メールだよ』


「あ、セイくんだっ!」




あたしは髪の毛を乾かす手を止めて、
机の上に置いておいたスマートフォンを手に取った。

0123とロックを外して、届いたメールを開く。




<明日暇?>




そっけない、シンプルなメール。

それだけで、あたしのテンションはマックス!

昼間受けた授業で感じた眠気なんて、どこかへ飛んで行っていた。





<暇だよ~!(はあと)

ていうか、
セイくんと会えるってわかったら
どんな用事も投げ捨てて会いに行くよ!
(だぶるはーと)

セイくん、だいすき!(はあと)

アイ>






いっぱいハートの絵文字いれちゃった!

送信して、ニヤける口を隠すためスマホを口元に持って行く。

そして、スマホにキスをしてしまった。




「あー!
セイくんとまだき…き…き…キッスもしていないのに!

画面にキスしちゃったよ~!

セイくん、ごめんね!
愛しているよ、大好き大好き!!」





誰も聞いていないのに。

あたしはその場でセイくんへの愛を叫んだ。









< 139 / 178 >

この作品をシェア

pagetop