あなたが教えてくれたから~約束~
「あ、汐里ちゃんが変顔してる」
「変顔とは失礼な」
ふたりで吹きだす。
「ちょっと待ってて」
そう言うと吉原さんは奥へ行ってしまった……と、思ったら、ドアから外に出てきた。
「よしは…」
吉原さんは口に人差し指を当てて「しー」と言った。
「おいで」
歩きだす吉原さんを慌てて追いかける。
エレベーターのところまで行くと、吉原さんは、
「内緒だからね」
とふりかえって笑った。