あなたが教えてくれたから~約束~
『みんなの看護士さん』
この人はわたしよりもずっと、ずっと、大人だ。
そう言われたらわたしは何も言えなくなる。
好きだけど、憎らしい。
わたしだけの吉原さんになってほしいのに。
わたしって、わがままだ。
「もう少し、このままでいさせて」
「うん」
これで最後。
大好きな吉原さんの体温を、鼓動を感じるのも。
思いっきり息を吸って、吉原さんの匂いを嗅ぐ。
……やっぱり、消毒臭いな。
苦笑する。
涙も出ないよ。