あなたが教えてくれたから~約束~
「吉原さん、見つけた……」
吉原さんは柵を背に、足を抱えて座り込んでいた。
わたしの声を聞くと一瞬こっちを見たけど、すぐに視線を落とした。
わたしはそっと吉原さんに近づく。
「香音はね、生まれつき病気を持っていたんだ」
ひとり言のように彼は呟く。
「助かると思った。助けたかった。だけど……」
「吉原さん、もういいよ。何も言わないで」
わたしは吉原さんの前で両膝をついて、その頭を抱きしめた。