あなたが教えてくれたから~約束~
「わたし、生きてる?」
そう問いかける。
「いやだなあー、ちゃんと生きてるよ」
ほら、と看護士さんはわたしの手を握る。
「温度感じるでしょ?」
わたしは頷く。
何故だろう。
胸が痛い。
優しさが欲しかった。
わたしを助けてくれる「誰か」をずっと待っていた気がする。
渇いた喉が水を求めるように。
小さな子供が母親を求めるように。
……どうかしてる。
この人は水でも母親でもない。
ただの看護士だ。