甘々王子にユウワクされて。



そう、彼女が話し始めたとき。





「楓。……待って」




静かな声がドアのほうから響いた。


驚いた、いつの間にドアが開いていたんだろう。



そこに立っていたのは、数時間ほど見かけなかった彼。



「……高槻くん」



帰って、きたんだ。


こんな時間になっても、ちゃんと。




「あっきーごめん、あたし……」



彼に気づいた楓さんが立ち上がって彼に走り寄り、伏し目がちに話す。



「あっきーには言うなって言われてたけど、やっぱり結羽ちゃんには話したくて……」


< 162 / 247 >

この作品をシェア

pagetop