how to love
再会
昼休み―
一人で教室で食べていると、一人の男の子が私の前に立った。
『流莉亜!俺のこと覚えてる?』
手話がとても上手な男の子。
あれ、誰だっけ。
『楓?!』
『そう!おとといから俺学校休んでてさ、流莉亜が転校してきたって聞いて』
楓は小学校の同級生。ちょうど私が喋れなくなった頃、楓に支えられたのだ。
楓は私のために手話を一生懸命覚えてくれた。まだ覚えてたんだ。
『一緒に食べていい?』
『いいよ』
楓との手話での会話はスムーズに行った。
2人でご飯を食べる。すごく懐かしい。
相変わらずの女の子みたいな可愛い笑顔。
でもそれに似合わず身体は完全に男の子。
「楓って流莉亜ちゃんの知り合いだったの?」
『小学校のときの同級生なの』
私のために手話をやりながら唯翔くんに向かって言った。
「楓、手話うまいんだね!なんかかっこいい」
『まーな』
楓のおかげで少し元気が出た。
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