【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー




「や、やめてください、親父っ……!!」



打たれた右肩を押さえながら、沢口啓明が立ち上がる。



「聖夜さんは、関係ありません!!」


「関係ない?……よくそんなことが言えたものだな、啓明」



組長はフッと笑い、銃弾をセットした。



「私の気分を害した罰だ。あの男には、私を楽しませる玩具になってもらうぞ」


「っ、聖夜さんに何を……!」


「そんなことより」



沢口啓明の問いを無視し、組長の目があたし達に……諒真さんに、移る。



「……諒真。お前にはがっかりだ」


「…失望してくれて嬉しいですよ、親父」


「舐めた口を聞くな。全く……お前の仲間を啓明に殺ってもらう計画だったが、まさか啓明が撃たないとは。計算外だった」



はぁ、とため息をつき、銃弾がセットされた銃を沢口啓明に向けた。


そして……何のためらいもなく、引き金を引いた。



「っ、あああああぁぁぁっっ!!!!」



パンッという音が響いて、撃ち抜かれたのは左足。


それまで立っていた沢口啓明は、右肩を庇いながら倒れ込んだ。


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