【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
少年院を出ると、蓮央は無言でバイクに私を乗せ、発進した。
改造車のエンジン音が辺りを切り裂く。
「...咲誇」
彼が、私の名を呼んだ。
少し不機嫌な声で。
怒ってるのかな。
あんなことを言ったから...。
もし『そんなお前なんか嫌い』とか言われたらどうしよう。
愛想をつかされていたら?
不安で不安で仕方ない...。
「おまえ、何で今さら告白されてんだよ」
「......はい?」
「川瀬に、好きって言われてたじゃねーか。
しかもなんかお前まで告白してるし」
...え?
予想外すぎることを言われたあたしは、少しの間ポカンとして。
で、なんだか急に笑いがこみ上げた。
「あははっ!!
蓮央、気にしてるのそこなんだ?」
「好きな女が他の男に告られてんのに、それ以外で何が気になるんだよ」
「だって怒られるかと思ったもん。あんな冷たいこと言っちゃったし」
「私はあなたを許せない、ってやつ?」
「そうそう」
自分があんなに頑固だなんて思わなかった。
翠斗に復讐して、時が経てば忘れ去ることができると思ってた。
...けどやっぱり、無理なんだ。
傷ついたのはみんなだから。