愛しの彼女…愛しの彼…
1

とりあえず、メッセージを返してみよう。

いや。
そんな悠長なことしていられない。


彼女に電話を入れる。



呼び出し音が続く・・・



今日は彼女との初めてのデートなんだ。

それも、やっとOKをもらったんだ。
なのに、今になって・・・


オレはこの今日という日をどんなに待ち焦がれていたか・・・


 「はい・・・」


やっと電話に出てくれたのは誰?


 「もしもし?
相川詩織さんの携帯・・ですよね?」


 「はい・・
そうです・・
わたしです・・・」


「声!
どうしたんですか!?」


ハスキーってもんじゃないよね。
しわがれ声ってこういうのを言うよね・・・


「あの・・
風邪かな・・・」


 「風邪!?
風邪ひいたんですか!?」


 「よくわかんない・・・」


わかんないって・・・


 「病院は!?」


 「しんどくて行けない・・・」


 「てか、それで今日のデートに来れないって!?」


 「うん・・・」


 「それならそう教えてくれないと!!」


 「ごめんなさい・・・」




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