青空ライン~君が居た青春~


「りょーちゃん、なんでベランダに出てるの?」


私は気になって、隣に座っていたゆーちゃんに聞いた。

ゆーちゃんは、少し考える仕草をして、


「そうねぇ……多分いろいろ考えてるんじゃないかしら?あぁ見えて一番真剣に考えてるからねぇ、りょーちゃんは。」


そうゆーちゃんはりょーちゃんを見ながら言った。


「……そっかぁ…。……どこまで決まった?」


「あっ、決まったってほどじゃないんだけどねぇ、こんな感じに……。」


そう言ってゆーちゃんは綺麗な字でまとめてあるノートを見せてくれた。

……この字……きっとりょーちゃんだ。


「それ、りょーちゃんがまとめたのよ。波瑠が出来るだけ早く仕事が出来るようにって。」


「そっか……。」


りょーちゃんの不器用な優しさに、心が温かくなった。
……やっぱり……好きだなぁ。
この気持ち、一生伝えられないと思うけど。




< 203 / 701 >

この作品をシェア

pagetop