青空ライン~君が居た青春~

*Ⅱ*橘遼の優しさ

波瑠side

***

わぁぁぁぁぁぁぁぁー…………!!!
私は周りにおこる歓喜を呆然としながら聞いていた。

ステージ上では、私の大好きなstar - meicarの皆が踊って歌っていて。

何回も何回も、浩輝くんに教えてあげていたステップのところも、完璧にできていて。

私が出した案を、皆は完璧に答えてくれた。
私の意見なんて、絶対正しいとは言えないのに。
皆は精一杯の笑顔で……私が考えたダンスを踊ってくれてる……。


「ありがとう、皆……っ。」


もうこのとき、私の涙腺は崩壊していた。
ずっとずっと朝から堪えていたものが、涙になって出ていく。

私はさすがに皆にこの場で気づかれるとヤバイと思い、野外ステージの周りにある客席から出た。
 
私はその間も、涙をずっと流した。
無我夢中に走った私は、いつの間にか校舎の裏に来ていた。

こんなところに来たの、初めてかも。
編入して、4ヶ月経ったけど。




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