青空ライン~君が居た青春~


「……じゃ、じゃあ……3人で合わせてみよっか……。」


「……うん。」


皆はプロデューサーの言葉にただ頷くだけで、返事をしようとしなかった。

ただただ、レッスン室には重い空気が流れるだけ。

でもそんな空気をもっと重くしたのは、廊下からの笑い声だった。


――「彼方ちゃん、引きずっても起きないなんてすごいわねぇ。」

――「彼方先輩はすごいですよね……。」

――「さっすが彼方だな☆」

――「関心するとこ、おかしいでしょ。」

――「彼方くんの腕、折れない?!」

――「それに関しては大丈夫でしょ♪」

――「えー?!」

……still kingと波瑠ちゃんだ……。
ふと琉生くんと祥也くんを見ると、苦しそうな顔をしていた。

そりゃ、そんな顔しちゃうよね……。

波瑠ちゃんの笑い声が聞こえて。
それだけなら嬉しいことかもしれないけど、笑い相手が僕達じゃなくて、still kingなんだから。




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