青空ライン~君が居た青春~
「さっ、再生するね!」
藤宮さんはこの重い空気に耐えられなくなったのか、そう言って再生ボタンを押して、空気を変えようとした。
僕達はその曲に乗って、踊る。
でも……全然ステップはできてなくて。
合わせることが、こんなに難しいものだと思ってなかった僕達は、いきなり合わせることができなくなった事実に戸惑う。
そして、曲が終わる。
……なんでこんなにできないんだろう?
明日はオーディションなのに。
「……い、1回休憩いれるね!20分後にまた合わすから……それまでに戻ってきてね!」
そう言って藤宮さんはそそくさと部屋から出ていってしまった。
……どうしたらいいのかな。
「優斗……、俺達どうしたらいいんだろうな……。」
そう言って僕に声をかけた琉生くんの顔は、すごく辛そうで、今にも泣きそうで……見てられなかった。