青空ライン~君が居た青春~


「當真先輩、本番前ですので静かにしてください!」


「ぎゃははははっ☆やっぱりライブ直前は気分が上がるなっ☆」


柊くんと當真先輩も、いつも通りだった。
……いつも通りじゃないのは、いつも通りのように接している私と……ずっと俯いて無言のりょーちゃんだった。

私とりょーちゃんは今日、一度も喋っていないし、ましてや目も合わせていない。

話しかけなきゃと思う反面、怖くて仕方がなかった。
無視、されるんじゃないのかって。
……りょーちゃんと話すことができるのは、今日が最後なのに……。


「波瑠ちゃん、どうしたの?怖い顔して。」


「うっ、ううんっ。なんでもないよ。」


……ダメだな……私。
今日、自分から別れを告げるって……決めたじゃんかっ……。
私は何度も溢れそうになる涙を、ぐっと堪える。
絶対に……泣いちゃダメ……。
りょーちゃんに別れを告げるまでは……。


「もっ、もうすぐだよ!皆、頑張ってね!」


私は皆にそういいながら、舞台につながるドアを開けた。



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