ベビーフェイスと甘い嘘
1.

○○を外してきました


朝帰りをした肌で感じる、朝の陽射しの感触って独特だ。


身体はぐったりと疲れているし、いろいろあって……泣き腫らした目には『陽射し』という字のように明るい太陽の光は射し込むように眩しく、目蓋や目にぐいぐいと突き刺さってくるようだ。


朝の5時。
普段ならもうとっくに起きていて朝の支度に追われている時間だけど、今日は日曜日だから今帰っても大丈夫だろう。


問題は帰宅時間ではなく、別のところにある。


家の玄関に立って鍵を開けた。
思っていたよりも大きく『ガチャリ』という音が響いて、心臓がドキッと音を立てる。


リビングはすでにカーテンが開けられていて、朝の明るい光が差し込んでいた。


……もう起きてたか。


帰宅時間はごまかせなかった。
ふぅ、とため息をつく。


覚悟を決めて私はリビングへと足を踏み入れた。


「お帰り。……ずいぶんと『早い』時間に帰って来たな」


開口一番の嫌味も仕方なく受け入れる。悪いのは私だ。


「ただいま。……遅くなってごめんなさい」
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