一生続く恋をしよう。


「ねぇねぇっ。黒木マネージャーって怖そうだけどすっごいかっこよくなかった!?めっちゃタイプなんだけどー!!」


そうはしゃぐのは同期入社の

雛形 ゆず ちゃん。

読モ出身の可愛い女の子。


「確かに、すっげーイケメンだよな。男でも惚れそう。」


そう言うのは、爽やか系男子の

田中 健人 君。メンズに配属の男の子。


そして、私。牧田 奈々。この3人が今年の新入社員で花光百貨店に配属されたメンバーだ。


「……確かに、かっこ良かったけど……。怖いよ。」


私はさっき挨拶した黒木マネージャーを思い出す。


緩くパーマのかかった黒髪をきっちりとセットして


恐らくオーダーメイドだろうお洒落なスーツを着こなし


これまた輸入モノだろう革靴を履き


腕には高級な腕時計。


そしてそんな、ブランド品が浮かない


端正なお顔。


切れ長の目に、通った鼻筋。小さな顔。


微笑んだ時の顔。



どれも一流品。



確かに完璧な男の人だと思う。


でも私にはそんな隙のない黒木マネージャーがちょっと怖く感じた。


「ここが、マネージャーや百貨店の方がいる部屋です。なにか困った事は店長、それから百貨店の方に指示を受けて下さい。では挨拶してきてください。」


先輩にそう促され、私達は緊張しながらその部屋のドアをあける。


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