したくてするのは恋じゃない
何だろう?なんだかお会計のところが、お姉様方の行列で渋滞になってるけど…。
ジッと眺めていたら、こっちに視線もチラチラ?来た。
…サワラヌカミニタタリナシ。
読む事に集中しようっと。視線を戻し、本を読むことにした。
ふぅ、そろそろ帰るとしようかな。
お姉様方で…残られてる方は…居ないようだし。
動いても大丈夫そう。
珈琲を飲み干し、本をバッグにしまった。
お会計をしにレジに向かった。
「絵里子ちゃん、ちょっと待って。
これ貰ってくれないかな?」
マスターが冷蔵庫からケーキBOXを取り出し周りを確認している。
あ、某有名店の…。
「頂き物なんだけど、他にも幾らか頂いてしまって、どう頑張っても食べ切れないから…。
駄目にするのも何だし。
嫌で無ければ、食べて貰えると凄く有り難いんだけど」
「マスターが頂いた物、いいんでしょうか?
私は大好きなので嬉しいですけど」
「それじゃあ、遠慮しないで貰ってくれる?」
「はい。本当にいいんですか?」
「是非とも!」
「有難うございます、では遠慮せず頂きます」
マスターは、さりげなく店の紙バッグに入れてくれた。流石の心配り。
「後でね。迎えに行くから。時間通り、行けるから」
声を潜めて言われた。
「はい、解りました。では、…お待ちしてます。
これ、有難うございました」