アイ
だんしょく



「なかなか、お前は上手いな」



と、うすい、暖かくてふわふわした暖色であろう太陽の熱を、木製のイスに組んでいる少し素肌のでた足から感じているのに意識を傾けていたとき、少し掠れた男の声が聞こえた。



ちらり、とその男____美術科目の教員、赤野(あかの)___に視線を送ったが、なにか言葉を返すのもめんどうだと思い、あくびをしながら手を止めていたデッサンの続きを始める。



「やる気が、なぁ‥‥」


そう言って、教室を賑やかにしている元気な男子の注意にまわっていった。



はぁ‥‥と、小さくため息をつき、今度こそ、太陽の光の暖かさに溶かされようと再び足から感じる温度に意識を傾けようとすると、



「ねぇ彩(あや)ちゃんってあの先生に気に入られてんだね」




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