イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

睦月は、王子様!?


最後に全員で歌を歌っていた。

「そして王子様と白雪姫は、
幸せに暮らしましたとさ
めでたし めでたし。
はい、皆さん。よく出来ました!
上手でしたよ~」

中川先生は、皆を褒めていた。

どうやら終わったようだ。

すると睦月君が、こちらに気づき
駆け寄って来てくれた。

「睦月君。迎えに来たよ!一緒に帰ろうね」

そう言うとコクリと頷いてくれた。

カバンと上着などを取りに行く
睦月君を見ていたら拓馬君も来た。

「あ、おばちゃん。今日は、早いじゃん?」

「お姉ちゃんね。拓馬君。
うん。先生に頼まれ事をされて
そのまま来たから」

応えているとあの白雪姫役をやっていた
女の子がこちらに来た。

戻ってきた睦月君に

「ねぇ、睦月君。
あなたやる気ありますの?」

そう言ってきた。

「えっ?」

「…………?」

首を傾げる睦月君。私も驚いた。

「歌も歌わないし、やる気があると思えない。
パパが言っていましたわ。
劇でも何でも見せ場にちゃんと
活躍が出来ない奴は、この先も落ちぶれるって」

その女の子の言葉に衝撃を受けた。

こんな小さな子から
凄い台詞を出てくるなんて…。

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