*°春夏タチバナ*°




チラッと秋くんを見たけど
何かを察したように何も言わない











「冬羽先輩、俺あのキスのこと嬉しいって思ってます」





「え…?」





「俺は冬羽先輩が好きだから」





「っ!?」











嘘だ…


冬貴くんが私のこと好き?



普通の仲いい後輩で
話しやすい先輩って思われてるのかと思ってた




でも、きっとこの好きは
私の思ってる好きとは違うものだよね…











「ごめんね…私、秋くんが好きだから…」





「はい、分かってます
振られるのも覚悟でした」





「……ごめん…」











申し訳ない



でも、こうして伝えてくれたことは素直に嬉しいな











「どうしてもクリスマスに言いたくて…
これからも仲良くしてくださいね」





「う、うん…
ありがとう冬貴くん」





「はい、では!」











冬貴くんはそう言うと走っていってしまった






私と秋くんの間に落ちる気まずい沈黙…











「俺は知ってた、冬貴が冬羽のこと好きだって
でも冬羽を、信じてたから」





「秋くん…
ありがとうっ」











私がそう言うと、秋くんはぎゅっと抱きしめてくれた




その体温が暖かくて
心地よくて



私は幸せな気持ちでいっぱいになったよ





ありがとう冬貴くん




これからもよろしく秋くん…





そんな色んなことが分かって
色んなことが起こったクリスマスでした






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