*°春夏タチバナ*°




私が泣いているのを悟られないようにしていると
秋くんは私の頭に手をポンッと置いた











「ばーか
怒りゃいいんだって!」





「でも…」





「今回はあいつらが悪いからねー」





「怒るなんて…」











なかなか怒れない私としては
うまく怒れるか不安なところ…





私がどうしようかと思っていると

秋くんから私の頭に置いていた手にぐっと力を加えて

頭をガッと下に押された











「い、いてっ…」





「向こうが怒ってきたら俺がフォローするからうだうだ言うなってー!」











その言い方から怒ったかと思って
秋くんの顔を盗み見ると…




とても無邪気に歯を見せて笑っていた





その笑顔に、怒ってもいいかなぁ
とか思えてきたよ











「ありがとうっ♪」





「よし、それでこそ冬羽だね」











ありがとう秋くん




慰めるわけでもなく
そう言ってくれて救われたよ…







その話をしていると
花火は終わっていて、そのまま私達も帰った







秋くんと来れて本当に楽しいお祭りでした♪






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