何度だって咲かせよう(仮)

その日の帰り道。

「明日は京香と遊ぶから一緒に帰れないの。ごめんね」

「おう、わかった。じゃあ朝は迎えに来るから」

「うん、いつもありがとう」

「…いろいろ期待してる」

顔を赤らめてねだる悠馬を可愛いと思った。

「さあ、なんのことでしょう」

とぼけながらそう答える芽依子に対して、悠馬は本気で恥ずかしがっている。

学校では相変わらずだが、二人でいるといろいろな表情をするようになった。最近では芽依子の中でのクールだというイメージは薄れている。こうして少しずつ悠馬の新しい顔を見ることができて、芽依子はうれしかった。

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