微笑んだ先に咲く花





「そ、そら…飲みすぎじゃない?」



さっきの話題から1時間くらいがたった
空のピッチが上がってきて確実に酔ってる



顔は真っ赤だし、呂律もまわってない

空の前には空き缶が4本



でも酔ったのは空だけじゃなくて、剛さんはもう焦点が合わないし

弘くんは寝てる

廣瀬くんは剛さんに寄りかかってもう寝そう


ただ1人新庄さんだけはその光景を楽しそうに見ながら飲んでいる





「空、あんまり飲みすぎちゃうと熱あがるよ?もう寝よう?」


子供に言い聞かせる様に言うけど空は首を横に振る




「いや!さいごまでおきてる…ん」




もう目が半分閉じてる




「空、だから言ったでしょ…」




寝てしまいそうな空をベッドに寝かせようとするけどやっぱり重い…



「慎ちゃん、俺がやりますよ」



新庄さんが笑いながら空を寝かせてくれた



「ありがとうございます、助かりました」



「いえいえ、空さんに薬飲ませたらどうですか?少し熱い気がします」



そう言われて触ってみるとちょっと熱い




「本当だ…水持ってきます」



新庄さんに任せてキッチンに水を取りに行く




「あ、慎か」

「有さんじゃないですか」


帰りにお風呂上りの有さんに会った


「水?空さんにか?」



「そうなんですよ、無理して剛さん達とお酒飲んじゃって…」



笑うと有さんも困ったように笑った


「ちょっと見に行きたいな」



そう言う有さんと部屋に戻った




「新庄さんしか起きてないですよ?」




ガチャッ



「新庄さんすみません、お水もって…」


「誠さん空さんのこと襲わないでくださいよ」




ベッドの上には空に抱きしめられた新庄さんが空に馬乗りになっていた


顔が珍しく困っている

有さんは隣で爆笑してる



「新庄さん、大丈夫ですか?」



水を近くのテーブルに置いてベッドに近づいた


「空、新庄さん困って…っ…」





「…」



虚ろな目で私を見て空が一言発した

でも何を言われたのか、頭で理解するのに時間がかかった




「…!空さん!…」


「慎…」




その場で動けないでいる私の腕を有さんが掴んで自分の方へひいた



「有さん…」


「…プリンあるから俺の部屋で食べよう」




さっきよりも困った顔の有さん
少し険しい顔になっている新庄さん


泣きそうになるけど、強がって笑う私




確かに今空は少し目を開けて私を見てから

優子…


そう言ったんだ





















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