愛しくて、切なくて〜心の声を聞かせて〜
出逢いは、必然



それは、まだまだ肌寒い春のことだった。


「ふぁぁ………」

物凄い音で鳴る携帯の目覚ましを消してまだ重い瞼を擦り起き上がったのが私。


井上玲(いのうえれい)。
ピチピチの18歳って言いたいところだけど女子高校生ではない。

人より早く社会人になった高校中退の馬鹿な女。

一人暮らしを始めてそろそろ3年目になる。


「着替えよ」

私服に着替えてまだ、綺麗な白い白衣を鞄に押し込む。


介護士の見習いをしている。
免許もまだなく、これから取らなければならない。その上免許がないから給料も安い。

そんなこといったら職場に失礼極まりないけど本当のこと。



「そろそろ、行くか」

白衣を詰め込んだ鞄を手に持ち家の扉を開ける。



まさか今日、君と再会するなんて
誰が予想なんてしていただろう…。



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