英国紳士と甘いはちみつ同居☆
一、同居人は俺サマ?


「くるみさん、今日来られたブラフォードさんのスイーツ喫茶『miele』に寄って行きましょうよ」
「無理。今日は家に早く帰るわ。親が荷物を送ったとか言ってたの」
「親御さん、今、どちらですか?」
「世界一周旅行に行って半年」
「……なんかくるみさんの家って面白い」

面白いものですか。元は蜂蜜を使ったケーキ屋だったのに、道路拡張工事の際にお店が引っかかたので売り払い、残りでマンションを立てて今は家賃収入でぼそぼそ暮らしてるだけ。

今まで、休みなく働いてきた両親を知っているから、旅行が何年になっても覚悟を決めて、マンションを預かることになっているだけだ。


「くるみ、今から向かいの立ち飲みBAR行かねえ?」

高瀬に肩を叩かれて大げさに前につんのめると、高瀬は自分の手を見る。

「今日のイケメンに骨抜きにされてる?」
「まさか! 今日は親からの荷物が届くから家でコンビニスイーツの日なの」
「へえ。そう言えば、あのイケメンのスイーツ店って、イタリア語で『蜂蜜』って意味の店みたいだな。Mieleだっけ」

「嘘っ」

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