英国紳士と甘いはちみつ同居☆
二、ルールは英国風に?
ジンさんは、私たち日本人が言えば、歯が浮くかもしくはギャグにしか聞こえないことを、真顔で言う。
いや、俺様みたいに見下して言う。
甘く目を細めて言う。
優しく……耳元で囁く。

「あーあ。朝はやっぱりかっりかりに焼いたトーストにたっぷりの蜂蜜、そして紅茶にも蜂蜜、なんとなんとデザートにコンビニスイーツの蜂蜜プリンを食べて」

「栄養に悪すぎる!」
朝の、私の優雅な食卓にいちゃもんをつけるのは、朝から既にぴしっと決まったジンさん。

高級ブランドの大きく下品なロゴもないシンプルな無地デザインのTシャツ。
やっぱり長さのおかしい折り畳まれた長い足を組み、偉そうに珈琲を飲みながら、私の朝食に苛々している。

「英国人のくせに珈琲を飲んでる」
「俺が珈琲を飲んで何が問題ある?」
「じゃあ、私が蜂蜜を摂取して何が問題ありますか!」

「バランスが悪いと言っているんだ。ありえない。野菜が無さ過ぎる。糖分ばっかでは肌も荒れるし、健康にも良くない」

ジンさんが蜂蜜プリンを奪うと、野菜スムージーに置き換えてしまった。
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