君と私の秘密の恋
「なぜ、俺は捨てられなくちゃいけなかった?なぜ、こんな想いをしないといけなかった?なぜ・・・、今更、目の前に現れた?」
語尾は震えていた。
女性は、肩を揺らし、顔を俯かせ、楓くんを見れずにいる。
「・・・全部、全部、話します・・・」
「とりあえず、座ろう。落ち着いて、それからだ」
社長さんが促し、皆、椅子に座った。
女性の体面に楓くん、その隣に社長さん。
そして私と郁美さんは少し離れた場所で座ってみていた。
「当時、私は16歳で・・・。一人で育てる力がなくて・・・」
「でも、そうなる結果を生み出したのはあなたで、生むことを決めたのも、あなたなんですよね」
「・・・その通りです。親にも、周りにも卸すことを勧められました。軽率だと、叱られもして・・・。でも、私には・・・できなかったんです。赤ちゃんを・・・あなたを、殺すことなんてできなかった・・・」
ポタポタと落ちる涙を必死に拭い去っている。
声は震え、それでも必死に話していた。
「反対を押し切って、産んで・・・。家を飛び出して一人で育てようとしたんです。・・・でも、できなかった。親が積み立ててくれていた大学資金もすぐに底を尽きて。親にも・・・頼れなくて・・・。子どもがいたら、働くこともできなくて・・・。それで・・・」
「それで、捨てたんですか」