すれ違い*Pure Love《1》
いつもの道を、俯きながら歩く。
この信号を渡って。
次の交差点を右に曲がる。
しばらく真っすぐ進んだら、踏み切りを渡ってまた右に曲がる。
その次はあの角を左に…
今は何も考えたくなくて、そんなどうでもいいようなことを頭の中で呟きながら歩いていた。
でも…
私はそんなに器用な人間じゃなくて。
考えない。
今は考えない。
考えたくない。
そう思えば思う程、頭の中はあの手紙のことでいっぱいになって。
あの空席が頭に浮かんで。
彼のことでいっぱいになっていった。