絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
翔吾はそう言うが、これが演出などではないことはすでにここにいる全員がわかっていたことだろう。


「朱里、こっちへ」


翔吾に手を引かれあたしは集団から離れた場所へと移動した。


部屋の隅まで移動するとホッと胸をなで下ろす。


「あたしたち、これからどうなるの?」


自分の首輪に触れると不安が募る。


この首輪は個人を認識しておくために付けられているわけではなく、つけている人物の命を奪うためにあるんだ。


「どうにかして、ここから出られないかな」


翔吾はそう呟き、壁沿いにある大きなドアを見た。


あのドアが開くかどうかはわからない。


むやみに動くと、さっきの男性と同じような結果になる可能性だってある。


壁に手を当てた翔吾が、一瞬首をひねった。


「どうしたの?」


「この壁……」
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