絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
「……助かったの……?」


灰色の部屋から出ても、そこには灰色の大きな通路があるだけで、出口がどこにあるのかもわからなかった。


でも、あの部屋からは出られたんだ。


「きっと大丈夫だ。行こう」


翔吾がそう言い、あたしの手を握り直す。


落ち着いているように翔吾だけれど、その手のひらは汗ばんでいて緊張していることがわかった。


通路にはアタシたち以外にも4人の男女がいて、彼らは大きなドアからかろうじて出てこられた様子だった。


その中には山下雷と松井桃乃の姿もあり、あたしは一瞬顔をしかめた。


こんなことを思ってはいけないとわかっているのだけれど、どうしても一緒に外へ出られたことは喜べなかった。


この2人は奴隷としてふさわしい人間だ。


他の2人は男の子と女の子で、2人ともあたしたちと同年代くらいに見えた。


あたしたち6人は無言のまま、長い通路を歩き出したのだった……。
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